ClockworkPiがリリースしたポータブルコンピュータでありDevTerm同様、コアモジュールを入れ替えることができる構成となっている。
半完成品として届き、最終組み立てを行うのもDevTermと同じだが、ケースは金属製となっており、六角ねじで固定する関係で、DevTermと異なり、一度くみ上げてしまうと簡単には分解はできない。 また電池へもねじを外さないとアクセスできないため、充電した18650電池を持ち歩いて適宜交換するような使い方はできない。
また冷却ファンを廃し、ケース背面をヒートシンクとして使用する構成になっている点も異なる。 コアが接するあたりはそれなりの温度になる。
箱はDevTermと概ね同じデザインだが一回り小さい。
開けるとパーツがプラスチックのケースに収められ、組立て説明書が同梱されている。 18650×2は同梱されていないので自力で調達する。
六角レンチは同梱されているので組立てに必要なものは特にはない。 手順に従って、キーボード、画面、メイン基板、コアモジュール1)、サブモジュール2)、電池ボックスをそれぞれ組付けたら蓋をして終わりである。
CM4モジュールを選択したので、Raspbian ベースのOSイメージをインストールする。 残念なことにベースとなっている Raspbianがやや古く、Debian 11ベースなので、パッケージなどが古臭い。 DevTerm同様、オートログインが設定されており、パスワードなしで suできる危険なユーザが設定されているために、このあたりの手当てを行う。
キーボードはふにゃふにゃだったDevTermにくらべてクリック感が強い。 特に中央付近のキーはしっかりと押し込まないと入力しそこなうことがある。
両手で持って親指タイプするのにちょうどいいサイズ感なので、使い勝手はDevTermよりかなりいい。
また、液晶も1280×720と 1280×480だったDevTermより縦方向のピクセル数が増加しているので、ダイアログの下がはみ出してしまってあれこれ困ったDevTermよりも普通に使える。
総じてDevTermのように、買ったはいいが持て余す、というようなことは少ない。
キーパッドの十字キーとカーソルキーとが同じキーにマッピングされているが、カーソルキーを右下に置くより、カーソル操作が窮屈ではなくてよい。
ただ、カーソルキーとZ/Xを使うようなゲームがあり、これがジョイパッドをサポートしていなかったりすると、ちょっとプレイは難しい。 オールドPCのエミュレータなどで遊んでいるとしばしば出くわす場面なので、そこは何らかの対策が欲しかった。
縦が長くなっているので、コーディングなどもそこそここなせる。 実際、ハイハイスクールアドベンチャーのM5版やQt版に関してはかなりの部分をこのデバイスを使って、移動中や出先でのコーディングを行っている。
電池はフル充電から3~5時間くらいは持つ感じである。 USB PDではなさそうだがUSB Type Cで充電できるので、今どきのデバイスとしては申し分ない。
パフォーマンスは劇速ってことはないが、実用上はほぼ問題ない。 注文してすっかり忘れていた CM4 Lite 8GBが届いたので、途中で入れ替えたが、4GBと8GBとで体感に違いが出る場面はほぼない。 なので、4GBのモジュールで充分だろう。