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devterm

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devterm [2022/07/01 22:13] – [概要] arakidevterm [2024/02/07 21:57] (現在) – [トラックボールが壊れた] araki
行 15: 行 15:
  
 2022年6月現在、CM4をDevTermに装着するためのアダプターも販売されており、CM4をコアモジュールとして利用することも可能である。 2022年6月現在、CM4をDevTermに装着するためのアダプターも販売されており、CM4をコアモジュールとして利用することも可能である。
 +
 +1280x480の横長の液晶、タッチタイプするにも、両手持ちでの親指タイプするにも、微妙なサイズのキーボード、独特な操作感のポインティングデバイス、ゲームパッド、内蔵サーマルプリンター、18650電池x2本と、絶妙な仕様のハードになっている。
  
 ===== インストール ===== ===== インストール =====
 +==== ユーザ作成他 ====
 +
 +正規版の Armbianは、ユーザcpiがオートログインする設定になっている。
 +((しかもパスワードも cpi である。そのうえ、sudo はパスワード不要となっている。))
 +
 +当然、危険性の高いユーザは、速攻でつぶす必要がある。
 +
 +<code>
 +# groupadd -g 1000 users
 +# useradd -u 1000 -g 1000 -s /bin/bash -c 'Hiroyuki ARAKI' araki
 +# vigr
 +(ここで、cpiが所属しているグループすべてに、自分を足す。)
 +# passwd -l cpi
 +</code>
 +
 +ホスト名も変えるなら変えておく。
 +
 +<code>
 +$ sudo hostnamectl set-hostname venus
 +</code>
  
 +ホスト名を venus にするなら、上記のようにする。
 ==== 速度制限問題 ==== ==== 速度制限問題 ====
  
行 81: 行 104:
 あまり問題はないと思うが、どうしても必要なら、devterm-a06-gearbox を修正すればそういうプリセットも作ることは可能である。 あまり問題はないと思うが、どうしても必要なら、devterm-a06-gearbox を修正すればそういうプリセットも作ることは可能である。
 ==== 日本語化 ==== ==== 日本語化 ====
 +
 +標準のArmbian 21.04では、ユーザcpiがオートログインする設定であるため、初回起動時にロケールやタイムゾーンの設定が行われない。
 +
 +タイムゾーンの設定は、以下のようにして行う。
 +
 +<code>
 +$ sudo dpkg-reconfigure tzdata
 +</code>
 +
 +日本時間にするには Asia/Tokyo を選択する。
 +~/.bashrc や ~/.profile などにも設定を加えておく。
 +
 +<code>
 +TZ=Asia/Tokyo export TZ
 +</code>
 +
 +日本語化には、language packを導入すると同時にフォントを追加する。
 +
 +<code>
 +$ sudo apt install -y language-pack-ja
 +$ sudo apt install -y \
 +  fonts-noto \
 +  fonts-ipafont \
 +  fonts-ipaexfont \
 +  fonts-vlgothic \
 +  fonts-takao \
 +  fonts-hanazono \
 +  fonts-horai-umefont \
 +  fonts-komatuna \
 +  fonts-konatu \
 +  fonts-migmix \
 +  fonts-motoya-l-cedar \
 +  fonts-motoya-l-maruberi \
 +  fonts-mplus \
 +  fonts-sawarabi-gothic \
 +  fonts-sawarabi-mincho \
 +  fonts-umeplus \
 +  fonts-dejima-mincho \
 +  fonts-misaki \
 +  fonts-mona \
 +  fonts-monapo \
 +  fonts-oradano-mincho-gsrr \
 +  fonts-kiloji \
 +  fonts-mikachan \
 +  fonts-seto \
 +  fonts-yozvox-yozfont \
 +  fonts-aoyagi-kouzan-t \
 +  fonts-aoyagi-soseki \
 +  fonts-kouzan-mouhitsu \
 +  ttf-mscorefonts-installer
 +$ sudo apt install -y fcitx5 fcitx5-mozc fcitx5-config-qt fcitx5-frontend-qt5 fcitx5-frontend-gtk2 fcitx5-frontend-gtk3 fcitx5-frontend-gtk4
 +</code>
 +
 +最後に、~/.bashrcや ~/.profile に環境変数を設定しておく。
 +
 +<code>
 +LANG=ja_JP.UTF-8 export LANG
 +LC_MESSAGES=ja_JP.UTF_8 export LC_MESSAGES
 +LC_ALL=ja_JP.UTF-8 export LC_ALL
 +GTK_IM_MODULE=fcitx5 export GTK_IM_MODULE
 +QT_IM_MODULE=fcitx5 export QT_IM_MODULE
 +XMODIFIERS=@im=fcitx5 export XMODIFIERS
 +DefaultIMModule=fcitx5 export DefaultIMModule
 +</code>
 +
 +fcitx5は自動起動されないので、~/.config/autostart/fcitx5.desktop を以下の内容で作成して、Xのセッションをログアウトしてログインしなおす。
 +
 +<code>
 +[Desktop Entry]
 +Encoding=UTF-8
 +Version=0.9.4
 +Type=Application
 +Name=fcitx5
 +Comment=
 +Exec=/usr/bin/fcitx5
 +RunHook=0
 +StatusNotify=false
 +Terminal=false
 +Hidden=false
 +</code>
 +
 +これで、fcitx5-mozc による日本語入力ができるようになる。
 +
 +
 ==== Armbian Jammy (22.05) ==== ==== Armbian Jammy (22.05) ====
 === フルスピード問題 === === フルスピード問題 ===
行 96: 行 203:
  
 これで、1.008GHz A53x4 + Mali T864 400MHz の設定で動作を開始する。 これで、1.008GHz A53x4 + Mali T864 400MHz の設定で動作を開始する。
 +
 +== ファンの制御の有効化 ==
 +
 +Jammy には、デフォルトでは、ファンの制御のための機能が入っていない。
 +メールやSNS程度の処理を涼しい部屋でしている程度ならファンなしでも問題はないが、平常運転を行うにはファン制御は不可欠である。
 +
 +ファン制御のための仕組みは GitHubで提供されている DevTerm/Code/devterm_fan_daemon_cpi_a06 の下にあるので、これをインストールすればいい。
 +
 +<code>
 +$ sudo install -m 0755 temp_fan_daemon_a06.py /usr/local/bin
 +$ sudo cp etc/systemd/system/devterm-fan-temp-daemon-a06.service /etc/systemd/system
 +$ sudo systemctl enable devterm-fan-temp-daemon-a06.service
 +$ sudo systemctl start devterm-fan-temp-daemon-a06.service
 +</code>
 +
 +後は、daemonが温度を監視して、必要に応じてファンをON/OFFする。
  
 === 標準でサポートされないもの === === 標準でサポートされないもの ===
行 122: 行 245:
  
 == フォントのインストール == == フォントのインストール ==
 +
 +初回起動時に、IPAフォントは導入されているはずであり、最低限の日本語表示は可能となっているが、追加のフォントもインストールしておく。
 +
 +追加フォントによって、表示はよりすっきりした形になるので、とりあえず入れておくことを推奨する。
 +
 +<code>
 +$ sudo apt install -y \
 +  fonts-noto \
 +  fonts-ipafont \
 +  fonts-ipaexfont \
 +  fonts-vlgothic \
 +  fonts-takao \
 +  fonts-hanazono \
 +  fonts-horai-umefont \
 +  fonts-komatuna \
 +  fonts-konatu \
 +  fonts-migmix \
 +  fonts-motoya-l-cedar \
 +  fonts-motoya-l-maruberi \
 +  fonts-mplus \
 +  fonts-sawarabi-gothic \
 +  fonts-sawarabi-mincho \
 +  fonts-umeplus \
 +  fonts-dejima-mincho \
 +  fonts-misaki \
 +  fonts-mona \
 +  fonts-monapo \
 +  fonts-oradano-mincho-gsrr \
 +  fonts-kiloji \
 +  fonts-mikachan \
 +  fonts-seto \
 +  fonts-yozvox-yozfont \
 +  fonts-aoyagi-kouzan-t \
 +  fonts-aoyagi-soseki \
 +  fonts-kouzan-mouhitsu \
 +  ttf-mscorefonts-installer
 +</code>
 +
 == fcitx5 == == fcitx5 ==
  
行 190: 行 351:
  
 調べていくと、devterm_thermal_printer.elf が /dev/spidev2.0 にアクセスできずに落ちている。 調べていくと、devterm_thermal_printer.elf が /dev/spidev2.0 にアクセスできずに落ちている。
-確かに、そんなデバイスドラバーは存在しない。+確かに、そんなデバイスファは存在しない。
  
 このため、カーネルの再構築が必要になる。 このため、カーネルの再構築が必要になる。
行 233: 行 394:
 あとは、勝手に必要なパッケージを持ってきて、カーネルのビルドを行う。 あとは、勝手に必要なパッケージを持ってきて、カーネルのビルドを行う。
 終わると output/debs の下に、パッケージが作成されているので、DevTerm にコピーして、インストールする。 終わると output/debs の下に、パッケージが作成されているので、DevTerm にコピーして、インストールする。
 +
 +なお、公式から配布されているイメージでインストールされていたパッケージは以下のとおりである。
 +カーネルのヘッダーやらソースやらは特にインストールされていなかったので、必要がなければインストールする必要はない。
 +
 +なお、いくつかのパッケージは「ダウングレードになる」といわれた。
 +ダウングレードするか、それらは除くかは、各自判断されたい。
 +わたしは、既存のものを残すことにしておいた。
 +
 +<code>
 +armbian-bsp-cli-clockworkpi-a06
 +armbian-config
 +armbian-firmware
 +armbian-zsh
 +linux-dtb-current-rockchip64
 +linux-image-current-rockchip64
 +linux-libc-dev
 +linux-u-boot-current-clockworkpi-a06
 +</code>
  
 再起動すると、/dev/spidev3.0 ができている。 再起動すると、/dev/spidev3.0 ができている。
行 244: 行 423:
 </code> </code>
  
-ここで、wiringPi/winringPiSPI.c の113行目を以下のように修正する。+ここで、wiringPi/wiringPiSPI.c の113行目を以下のように修正する。
  
 <code> <code>
行 294: 行 473:
 これが、cupsが /tmp/DEVTERM_PRINTER_IN へアクセスすることを妨げている。 これが、cupsが /tmp/DEVTERM_PRINTER_IN へアクセスすることを妨げている。
  
-以下の二行を、/etc/apparmor.d/local/usr.sbin.cups に追加する。+以下の二行を、/etc/apparmor.d/local/usr.sbin.cupsd に追加する。
  
 <code> <code>
行 320: 行 499:
  
  
 +==== トラックボールが壊れた ====
 +
 +久しぶりに DevTermを起動すると、トラックボールが上下、左へは動くが右へ動かなくなってしまった。
 +トラックボールユニットは、ボールと四方向に配置された磁気ローラー、そして基板側にはその磁器ローラの回転を読み出すセンサーという構成になっている。
 +
 +期待される問題は右への回転がローラに伝わってないパターンだ。これなら基板側には問題がないのでローラ周りを掃除したりすれば直る可能性がある。
 +
 +まあ、実際掃除では治らなかった。
 +
 +しかたがないのでググってみるとPIM447というトラックボールユニットが DevTermのものに酷似している。
 +スイッチサイエンスでは在庫なしだが、DigiKeyとマルツからは買えるようなので発注する。
 +
 +{{::devterm:trackball.jpg?400|DevTermのトラックボールとPIM447}}
 +{{::devterm:devterm_trackball_pim447.jpg?400|DevTermのトラックボールとPIM447}}
  
 +届いたものを比べてみれば、ほぼ同じ。
 +早速、ボール部を入れ替えてみるとあっさり復活。
 +もしトラックボールの不具合にお悩みの方がいらっしゃれば。
  
  
  
  
devterm.1656681193.txt.gz · 最終更新: 2022/07/01 22:13 by araki